Columnコラム

【経営・戦略】「なぜウォークマンはiPodになれなかったのか?」

UPDATE:2013/05/08

今年のGW中に
NHKスペシャル「メイドインジャパン逆襲のシナリオ1 岐路に立つ日の丸家電」を
再放送で見ました。

その中で頂点にあったSONYの凋落の推移とappleの台頭が対照的に解説されていました。
「イノベーションジレンマ」にもつながる覇権交代の象徴と思われたので、
触れてみたいと思います。

ウォークマン、βマックス、CD、MD、PS2、VAIOなど優れた商品を次々に世に出してきたSONY。
この10年の凋落ぶりには、日本企業としてさびしい思いが強い。
NHKでは1999年ラスベガス・コムデックスで出井氏が
「メモリースティックウォークマン」を世界に発表するところから始まります。

「デジタルドリームキッズ」をコンセプトに掲げ、
デジタルとネットの融合をビジョンに描き商品開発を進めたSONY。
2000年株価最高値を記録し、当時は憧れの世界的ブランド企業でした。
しかしCEOに復活したスティーブ・ジョブス氏が2001年に世に出したiPodに次第にシェアを奪われます。

MSウォークマンとiPodの違いは何だったのでしょうか?

決定的な違いは、iTunesの存在です。
スティーブ・ジョブス氏はソフトウエアの違いといいます。
音楽供給する新たな仕組みをセットで、2003年以降世界に提案したのです。
SONYには当時、ソニーミュジックエンターティメントという音楽会社を持っており、
ウォークマンに著作権保護技術(コピーガード)をセットにしなければならない、
わずらわしさが条件となっていました。
またCDの成功に続くMDの企画を世に広めようとする力学がグループ内で働き、
消費者の視点、未来を見据えた「世にない新しいモノを作る」という精神よりも、
既得権を守る戦いに縛られていたように思われます。

一度は敗退し、何も持たないところから出発したappleが逆に時代の流れをつかみ、
優位性を持つこととなりました。
アナログ時代の自前主義が重荷となる時代の転換期になったということです。
その後、SONYの株価が大幅に下落した「ソニーショック」と言われる2003年を経て、
その10月早期退職制度を発表。
全世界15万人の従業員のうち2万人を対象者として退職。
優秀な技術者をのどから手が出るほど獲得したい、
台湾、韓国、中国の成長の原動力になったといわれます。
2005年出井会長が業績責任を取って退任。
その跡を継いだハワード・ストリンガー会長はコスト削減策を次々と打ち出し、
2007年iPod(2010年Appleから発表)の前身とも言われるエアボード(無線TV)開発を中止。
2008年赤字転落を受け、様々な次世代技術の卵が残っていたというソニー研究所を廃止。
「自由闊達にして愉快なる理想工場」としての理念の証といえる未来に対する投資、
自由や面白さという「ソニーらしさという文化」、そして人材が、
大企業の効率性やルールに置き換わったと言えます。

そして2013年。
そのAppleも株価低迷、陰りが見える中、平井一夫新社長による、
世界16万人の「ワンソニー」を掲げ、ソニーグループを原点回帰による変革、
巻き返しを目指しています。
大企業病とも言える巨大企業としての縦割り組織の風通しの悪さ。

一度失った組織文化・風土をいかに復活させていくか、
今後のソニーに期待したいと思います。

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