Columnコラム

【人材育成】リテンション戦略の重要性・・・人材育成が抱える自己矛盾

UPDATE:2009/03/16

21世紀となり、いよいよ本格的に資本主義社会から知識主義社会に移行している。
優秀な人材がブランド力ある企業にバインディングされロックインされてきた時代が長く続いたが、
これからはプロフェッショナルとして自律し市場価値を高めることが重要な時代となる。

 

昨今の急激な外部環境の変化で、社内でしか通用しない社員の価値は低くなり、
社外でも通用する能力を支援する教育研修が増えている。

社員にとっても自身のエンプロイアビリティ(雇用価値)が高まることになるので大いに歓迎である。
しかし、困ったことに、同時に転職優位者を育てることにもなり、せっかく投資した人材が流出してしまうことにつながる。
一般的に、市場価値のない新人を、2~3年くらいは給料を払って、教育投資も行い、一人前に育てる。
そうして育てた途端、ステップアップといって転職されたのでは企業にとっては全く合わない。

また転職により、属人的に担保されていたノウハウの喪失も大変大きな損失となる。
再採用経費・労力も馬鹿にならない。

採用、配置、教育、評価、待遇、一連の流れを通じた人材を活かし、引き留める戦略「リテンション戦略」が、
ヒューマンキャピタル経営と言われる人的資本重視の経営の中で重要となる。

能力の高い人材が他社へ行くよりその会社を選ぶ。
その魅力を内包する求心力が企業のポテンシャリティを高めるための重要なファクターとなる。

 

中小の企業においても優秀な人材が定着せず、ノウハウが流出し続け、企業力が向上しないケースが多い。
そのためには個人が成長しても次々とハードルを設定し、要望し、評価し続ける仕組み、そして共感でき、
魅力あるビジョン作りが必要となる。

今後は、優秀な人材が成長の実感を持ち続けられる学習と教育の仕組み、
外部でも通用する人材作りという視点が企業の永続的成長にとってますます不可欠になっていく。

それが同時に、内部に優秀な人材を引き留めるためにも「外部でも通用する」という概念を持ち込まなければならないことに
人材育成の自己矛盾を感じる。

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