Columnコラム

【経営・戦略】創造性とイノベーション・・・なぜ変革が進まないか

UPDATE:2009/04/27

私達コンサルタントは、「貴社はもっと創造的になるべきです。創造的な人材を大切にしましょう。」と経営者によく進言する。
しかし、ほとんどの場合、経営者、特に苦労を重ねてきたオーナー経営者は頷きはするが、判断は変わらない。
そうしてコンサルタントは、その経営者を保守的だ、時代遅れだ、発展は止まったなどと捨て台詞を吐く。

経営者にとって「創造的」とはどう映っているのか。

昨今、企業が存続していく現実は、重い荷物を背負いながら下りエスカレーターを登るほどに厳しいものである。
経営者の目の前の現実は、華々しさなど少しもない地味で緊急な課題が山積みである。

実は、新しいアイディア、おいしいマーケット・商品などは、普通の人材を10人集めてブレーンストーミングをすればそこそこ出てくる。
(実際にOffJT研修でやってみるとなかなかのものである。)

ましてや情報収集力・人脈のある大方の経営者はアイディアがないというよりは、組織変革実行者がいないことに悩んでいる。
組織人の経験のある方なら、アイディアを出すより、実行に移し成し遂げることの方が如何に難しいかを知っているはず。

 

創造とは「新しいことを考え出すこと」、イノベーションとは「新しいことを行うこと」。
残念ながら創造的人材と組織変革実行(イノベーティブ)人材はなかなか共存しない。

想像力豊かな人材、アイディアマンは得てして組織規律に馴染まない。自由を好み、縛られることを嫌うからである。
だからこそ、独立したり、コンサルタントになったり、大学教授だったり、評論家だったりするのである。

 

それに対し、組織人に求められるのは、規律・ルールを重んじ、仕事・商品を画一化し、効率性・わかりやすさを追求した仕事。
だからこそ組織に属していれば、特別な才能がなくても顧客価値を生み出し、スピード感を生み出せるのである。

MBA人材やコンサルタント出身者が最先端の知識と理論を持ち込んでもなかなか組織が変革しないのは理論と実践が違うから。
創造性や理論は確かに必要である。ただしアイディアだけでは、逆に組織ベクトルを混乱させる。

この時代経営者にとって最も欲しい人材は、クリエイティブな夢想家ではなく、自らリスクを背負い、地道に周囲を巻き込みながら
言葉(ビジョン)を行動に転化するイノベーティブなリーダーなのである。

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